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第2回:最新のD&Dの姿

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D&D 50周年

2024年12月5日

柳田真坂樹


誕生から今に至るまで50年、ダンジョンズ&ドラゴンズ(以下、D&D)は常にプレイヤーたちの遊び方や、興味に対応して変化してきました。

中でも大きな影響を与えあったのがコンピュータRPG(以下、CRPG)なのですが、まずは最初のD&Dから話を始めましょう。

拡がる冒険の時代~AD&D第1版


1974年にD&Dが発表されてからすぐ、D&Dを遊ぶプレイヤーたちは自分たちのセッションで必要になった、さまざまな冒険のシチュエーションを扱うルールやデータ、モンスターや魔法のアイテムをデザインし、公式雑誌へ投稿して共有してゆきます。
かくして3年後の1977年、これらの投稿やデザイナーたちの経験を元に、D&Dの発展型改版『Advanced Dungeons & Dragons』と、その製品群が発表・展開してゆきます。

AD&D1版の『Player’s Handbook』


誰もが夢中でした。

冒険を追体験するという遊び自体は“ごっこ遊び”として誰もが経験しています。

ですが、それがゲームになったとき、失敗の不安や緊張、成功の高揚と感激という、一歩進んだ体験ができるようになりました。

さらに表現者サイドからも、小説や映画といった手段を使わなくても、自分の考えた冒険を表現し、体験してもらうことができるようになったのです。

この頃の製品の幾つかには、冒険の世界をよりより多彩に、よりリアルに表現しようとする衝動が見て取れます。


なおAD&Dと同じタイミングで、もとのD&Dを遊びやすく再編したバージョン『Dungeons & Dragons Basic Set』も発表され、こちらはのちにAD&Dとは別のラインとして発展します(1980年代に初めて和訳されたのはこちらのラインのD&Dです)

再編と拡充、爛熟から買収~AD&D第2版


D&Dに刺激を受けて、さまざまなジャンルのTRPGが開発、発表されました(その頃に発表されたゲームには、現在の日本でも広く遊ばれている『クトゥルフ神話TRPG』などがあります)。

それらの後発のゲームに比べると、あとからルールをいろいろ追加したAD&D1版は、増改築を繰り返した大邸宅のごとく、見通しの良いゲームではありませんでした。

そこでAD&D1版から12年後の1989年に、D&Dは2回目のバージョンアップを行ないます。それが『Advanced Dungeons & Dragons 2nd Edition』(以下、AD&D2版)です。

AD&D2版の『Player’s Handbook』


AD&D2版では基本ルールブックでたくさんの選択ルールを提示することは控え、一貫したルールを提示して、迷うこと少なく遊べるようになっていました。

そして冒険の舞台として、驚くばかりに多様なD&Dの世界を次々と展開してゆきます。

D&Dのデザイナーの一人、ゲイリー・ガイギャックスが作り上げた封建ヨーロッパを彷彿とさせる世界『グレイホーク』、三つの月と強大なドラゴンたちが歴史を形作る『ドラゴンランス』、現行D&Dの公式世界である『フォーゴトン・レルム』といったAD&D1版時代からの世界はもちろん、ゴシック・ホラー風D&Dの『レイヴンロフト』、星々の海を渡る『スペルジャマー』、エキゾチックな多元宇宙を旅する『プレインスケープ』、魔力の尽きた世界で超能力を使い戦う『ダークサン』等々。他にもヴァイキング社会やケルト社会、十字軍やローマ帝国といった歴史的な背景世界で冒険するサプリメントや、各クラスや種族を大きく拡充するサプリメント、魔法のアイテムや呪文の辞典などなど。

『Greyhawk Adventures』。AD&D1版と2版の過渡期の内容
『Dragonlance Adventures』。AD&D1版と2版の過渡期の内容
『Forgotten Realms Adventures』。“災厄の時”を経たフェイルーン世界の情報、『Greyhawk Adventures』、『Dragonlance Adventures』と異なり内容は完全にAD&D2版
『Ravenloft: Realm of Terror』。AD&D1版の人気アドベンチャー『Ravenloft』を拡張したゴシック・ホラー風のキャンペーン世界
『Spelljammer: Adventures in Space』。
魔法の船スペルジャマーで宇宙空間の冒険に挑むキャンペーン世界
『Planescape Campaign Setting』。
物質界を離れ、D&Dの特徴的な次元界を舞台としたキャンペーン世界
『Dark Sun Boxed Set』。
魔法の力が尽き荒廃した世界で、血湧き肉躍る冒険を行なうキャンペーン世界
『Vikings Campaign Sourcebook』。歴史上の北欧、バイキング社会を舞台にしたキャンペーン・ゲーム用の追加ルールや設定集


その規模と水準はまさに爛熟といってよいものでした。

ところが1997年。D&Dの出版社、TSR(Tactical Studies Rules)社は、幾つもの経営上の失策により資金繰りが悪化します。最終的にTSR社はD&Dごと、当時『マジック:ザ・ギャザリング』の大ヒットで飛ぶ鳥を落とす勢いだった、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社(以下、WotC)に買収されるのでした。

データとメカニズムの妙味~D&D3版


世界初のトレーディング・カード・ゲーム、『マジック:ザ・ギャザリング』(以下、MTG)は当初、TRPGのコンベンションの隙間時間に遊べるようなファンタジー・ゲームとして制作されたものです。デッキ構築やプレイングでの高い戦略性、蒐集の妙味。なによりもフレーバー・テキストと、素晴らしいカード・アートから溢れるファンタジー世界の光景によってゲーマーを魅了したMTGは、すぐさま新たなゲームのジャンルとして成長しました。


そもそもMTGを出版する前のWotCはTRPGの関連製品をデザイン・出版する会社であり、社名の「ウィザーズ・オブ・ザ・コースト(沿岸の魔術師、ほどの意)」からして、CEOのピーター・アドキソンがD&Dで遊んでいた魔術師ギルドの名前なのでした。

そのWotCが改めてD&Dの版権を得たのです。

さっそく新たな版のD&Dの制作が始まり、2000年には『ダンジョンズ&ドラゴンズ第3版』(以下、D&D3版)が発表されます。

D&D3版の『Player’s Handbook』


このゲームは、まだAD&D1版のクセが残っていたAD&D2版のルールとは決別し、過去の版の雰囲気やイメージは保ちながら、ルールの見通しがよくなるように作り直されたゲームでした。この作業にはWotCがMTGで培ってきた、“ゲームのメカニズムをデザインし、その処理を明快に記す”というノウハウが注ぎ込まれました。例えば、

  • キャラクターの行動の成否を決める判定が、(攻撃の命中判定も含めて)“(20面ダイス+修正値)が難易度を超えるか否か”という判定に統一されました。
  • [火]、[冷気]、[斬撃]などのダメージ種別やモンスター種別という概念が導入され、ルールの記述がより明確になりました。
  • 特技とクラス特徴、魔法のアイテムの効果の組み合わせにより、個性ある強力なキャラクターを作るという楽しみが生まれました。


つまり、冒険の再現や追体験という楽しみに加えて、MTGのような“ルールを組み合わせてコンボを作る”、“豊富なデータをディグって自分のアイデアを実現する”楽しさがD&Dに持ち込まれたのです。

果たしてD&D3版は一時代を築く大ヒットとなりました。

サプリメントが発表されるたび有用なデータが話題になり、インターネットの掲示板では、個性溢れるキャラクターや冒険のアイデアについて議論が沸き立ったのです。

そして発売から3年目、ルールの明確化とバランス調整のマイナーアップデートを行ない、D&D3版はより万全な3.5版となり、着々と関連製品を展開してゆきます。

コンピュータでのD&D


ここで少し時間を戻ります。

発表当時からD&Dは青少年の間で大流行し、コンピュータ・サイエンスを学ぶ学生たちの間でも顕著でした。そんな学生たちがD&Dの経験とコンピュータの技術とを繋ぎ、新たなゲームを作ったのは当然の成り行きと言えるでしょう。

詳しい説明は専門書に譲りますが、まだ個人がコンピュータを所有するのが難しかった頃、教育機関や研究施設の大型コンピュータの頃からすでに、『Colossal Cave Adventure』(1976年)のようなアドベンチャー・ゲームが作られていました。

パーソナル・コンピュータが世に出てからは日本でも有名な『Rogue』(ローグライク・ゲームの始祖、1980年)や、『ウィザードリィ』(1981年)、『ウルティマ』(1981年)などのD&Dに着想を得たCRPGが登場し人気を博します。

D&Dの“地図の未知の場所を調査し”、“手強いモンスターと戦い”、“財宝を手に入れて成長してゆく”というゲーム的な興奮をCRPGは再現できました。しかも、実際のD&Dのセッションでは困難なほどに大規模なダンジョンや戦闘を、CRPGでは十二分に楽しめましたし、当初は限界のあった画像や音響、アドベンチャーの内容も、コンピュータの性能が上がるにつれて深く、濃密になってゆきます。

D&Dもこの流れを無視しませんでした。

1988年に発表された『プール・オヴ・レイディアンス』、1995年に発表された『バルダーズ・ゲート』はそれぞれAD&D1版とAD&D2版を元にして、フォーゴトン・レルムを舞台にしたCRPGで、D&Dの再現に心を砕き、D&DファンのみならずD&Dを知らなかった一般のゲームファンからも高い評価を受けました。

特に『バルダーズ・ゲート』はAD&D2版のルールをほぼ再現し、ソード・コースト沿岸の町を巡って神の陰謀に挑む壮大な物語であり、まさしくD&Dならではのゲーム体験、TRPGのキャンペーンゲームの醍醐味を味わうことができるものでした。

しかも、TCP/IPをつかって複数プレイヤーによるマルチプレイも可能で、ゲームに登場するNPCを仲間にするのではなく、互いにキャラを持ち寄って本編の冒険を楽しむこともできたのです。

続いて、D&D3版が人気を博した2000年代には『ネヴァーウィンター・ナイツ』が発表されます。ソード・コースト地方にある都市、ネヴァーウィンターを舞台にしたこのゲーム、もちろん過去の作品と同じようにD&D3版のシステムを忠実に再現し、本編のストーリーも濃密なものでした(そしてもちろんマルチプレイが可能でした)。

しかしもっとも画期的だったのは“シナリオを自作するツールセット”が同梱されていたことです。

つまりユーザーは『ネヴァーウィンター・ナイツ』のシステムとデータを用いて、オリジナルのシナリオ・モジュールを作り、公開し、遊ぶことができました。しかもDMとしてリアルタイムでそのセッションに介入することもできました。

Webで公開されているシナリオ・モジュールを選んで、仲間を集め、自分はDMとして遭遇を調整したり、NPCの代わりにプレイヤーたちと話したりという風に、現在のオンライン・セッションのような遊び方もできたのです。

D&D以外のCRPGに目を向ければ、90年代後半に『ウルティマオンライン』がサービスを開始し、本格的に多人数同時参加型のオンライン・ロールプレイング・ゲーム(Massively Multiplayer Online Role-Playing Game、MMO)の時代が訪れます。

かつてCRPGは「一人でも遊べるTRPG」だったのですが、複数人でいつでも遊べるようになり、画像も音楽も演出も一流になり、遊びきれないほどシナリオが用意されるようになりました。手段は選びますが、冒険を自作できるようにもなっています。

TRPGとCRPGの間の差が急激に縮みつつありました。

新規層を視野に入れて~D&D4版


D&D3版は確かに人気を得ていましたが、00’年代半ばから台頭した『World of Warcraft』などのオンラインゲームにプレイヤー人口を奪われてゆきます。

D&Dは変わる必要がありました。急いで、しかも大きく。

発売から5年以上過ぎた時点で、D&D3.5版のデータの山からユニークな組み合わせを考える楽しみ方は、新たに遊び始めるユーザーにとって敷居が高いものになっていました。同じレベルのキャラクターであっても、作り込んだキャラクターとそうでないものとでは、まるで性能が違うのです。

2008年に登場したD&D4版では、キャラクターが行える特殊な行動や呪文などのヒロイックなアクションをすべて“パワー”という形で表現し、レベル毎に一定の強さのパワーを取得することにより、レベル毎の“キャラクターの強さ”に差が出にくいようにしました。

D&D4版の『Player’s Handbook』
パワーとしてのマジック・ミサイル、1レベルのウィザードが何回でも使える呪文だった


そしてMMOで見られるDPSやタンク、ヒーラーなどの概念を参考に、各クラスに撃破役、防衛役、制御役、指揮役といった役割を与え、キャラクター間の連携がものをいうシステムを作りました。そう、今度はD&DがCRPGのおもしろさを取り入れたのです。

グリッド(マス目)・マップを使い、パワーによってキャラクターが盤面を縦横無尽に動き回るD&D4版の戦闘は、とても完成度が高く、店舗イベントなどでの短時間セッションにも向いていました。

また、公式でD&D Insiderというデータベースとキャラクター・ビルダーのサービスを展開し、新規参加者にとって遊びやすい環境が提供されました。

一方で。新基軸を導入して3.5版からの変化があまりに大きかったため、移行せずに古い版を遊び続けるユーザーも多く存在しました。

D&D3版の基幹システムはオープンソースとなっていたため、3.5版をベースとしたサードパーティー製品(Paizo社の『パスファインダーRPG』やGoodman Games社の『Dungeon Crawl Classics』など)が発表されており、そちらに移行する既存ユーザーも無視できないほどの量があったのです。

改めて物語の力を信じよう~D&D5版


D&D4版の変化が大きく急だったことを認めたWotCは、D&D5版の開発には充分な時間をかけることにしました。プレイテストを公開で行なうことにし、試験版のルールについて、広くユーザーの意見を聞いて、調整を重ねていきます。

2012年の1月からWotCのサイトで繰り広げられた、デザイナー陣による「あなたはD&Dがどのようなものだと思っているのか、どのような点を楽しんでいるのか」という問いとそれに基づいた記事は、判定方法からデータの形式に至るまで、丹念にD&Dの要素を振り返るものでした。

数多のユーザーが考える“D&Dらしさ”をリサーチしつつ、当代随一のデザイナー陣が作り上げたD&D5版、すなわち現在遊ばれているダンジョンズ&ドラゴンズは2014年に発表されます。

D&D5版の『Player’s Handbook』


約20万人のテストプレイヤーの意見を経て市場に出たそのゲームは、確かにD&Dの原点に立ち戻ったゲームでした。

3版や4版のルールやデータと比べると、一種の戸惑いを覚えるほどにシンプルです。ですがそのシンプルさは、スムーズなセッションの進行、停滞しない物語の展開へとつながります。

もう一度、前回紹介した文章を引用しましょう。

「それはある意味、皆でお話を作る試みのようでもあり、演出家はいても脚本のない演劇のようでもあった。ゲームはごく自然に即興に進み、驚くほどの創造性を解き放った。しかもそれらすべてが、事前に準備されたプロットと、そしてもちろん『チェインメイル』のきちんとした戦闘ルールの枠内で実現可能だったのだ!」

(マイケル・ウィットワー著、『最初のRPGを作った男 ゲイリー・ガイギャックス~想像力の帝国~』P.116より)


この記事で見て来たとおり、D&Dはその歴史において常にユーザーの求めるものを取り入れてきました。

  • 仮想世界の冒険そのものを実現する楽しみ。
  • 仮想世界のリアリティを深め、多様な世界を遊ぶ楽しみ。
  • 豊富なデータを駆使して、個性あるキャラクターで遊ぶ楽しみ。
  • 明確な性能とカスタム可能な能力で、仲間と連携する楽しみ。


50年という年月により、かつてはTRPGならではのものだった楽しみは、今となっては他のゲームでも充分に味わえるものとなっています。

それゆえに現代のD&DであるD&D5版には、TRPGだからこそ得られる楽しみ、TRPGの根幹の楽しみである「みんなでお話しを作る」ことが望まれたのでしょう。

そしてデザイナーはそのために、運用はシンプルで、冒険をスムーズに行えるD&Dをデザインしたのです。

そして、この「みんなでお話を作る」ことのおもしろさは、ゲームのプレイ配信という文化と出会って花開きます。

みんなでゲームによって物語ることの可能性


D&Dのセッションを配信し視聴するという楽しみ方自体は、2008年の時点から行なわれていました。Webコミック『Penny Arcade』(https://www.penny-arcade.com/)の作者たちを招いて、D&D公式サイトのポッドキャストで配信されていた『Acquisitions Incorporated』(https://acquisitionsincorporated.acq-inc.com/)というキャンペーンがそれです。

配信は大人気で、2010年にはPenny Arcadeが主催するゲームイベント『Penny Arcade Expo(PAX)』にて公開セッションが行なわれ、その様子がYouTubeで動画配信されました(https://www.youtube.com/watch?v=uqXqK3ZlqWI)。

PAXでの公開セッションイベントは以降も実施、D&D5版が発表されてからは、このキャンペーンを元にしたソースブック『Acquisitions Incorporated』が発売されるまでになります。

『Acquisitions Incorporated』


そして2015年。さまざまなボードゲームを遊ぶ配信をしていたYouTubeチャンネル『Geek & Sundry』(https://www.youtube.com/@GeekandSundry)にて声優によるD&Dキャンペーンの生配信『Critical Roll』(https://www.youtube.com/c/criticalrole 現在は独立したチャンネル)がスタートします。

ダンジョン・マスターを務めるのはマシュー・マーサー。英語版に翻訳されたアニメ『ONE PIECE』ではトラファルガー・ロー、『Fate/Zero』では衛宮切嗣を担当するような実力派声優です。

そのセッションは「皆でお話を作る」ことの楽しさ、気の合う仲間とバカ話をする楽しさ、そしてダイスの出目のママならなさから導かれるドラマが溢れていました。

100回以上におよぶキャンペーン・セッションはいずれも百万回以上再生され、その冒険に視聴者は熱狂しました。

大人気を受けて『Critical Roll』は、このセッションをアニメ化するクラウドファンディングを行ないますが、それも大成功。Amazon Primeにて『ヴォクス・マキナの伝説』(https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B09R6JPQ2N/ref=atv_dp_season_select_s1)として配信されるに至ります(現在はシーズン3まで配信中)。

もともと、D&Dに限らずTRPGの「皆でお話を作る」ことのおもしろさは、実際に遊ぶこと以外ではなかなか伝えにくいものです。

しかし、ゲーム配信という舞台と、稀代のDMであるマシュー・マーサーのマスタリング、個性的な仲間のプレイングを得て、ついにTRPGセッションの楽しさが誰の目にも見える形で公開され、共有されたのです。

そして、同じ物語体験を夢見て人々はD&Dを手に取りました。

かくして2018年にはD&D史上最大の売り上げを記録、WotCは北米だけで1200~1500万人のプレイヤーが、全世界では5000万人以上のプレイヤーが、D&Dを遊んでいると概算しました。

D&D5版は名実共に最大の成功を収めたD&Dとなったのです。

10年目を迎えて、これから


そしてD&D誕生から50周年を迎える今年、発表から10年目になるD&D5版の改訂版が発表されました。まずは『Player’s Handbook』が2024年9月17日に、そして『Dungeon Master’s Guide』が11月12日、『Monster Manual』が2025年2月18日に発売の予定です。

2024年版の『Player’s Handbook』

2024年の改訂版D&Dは、これまで10年以上遊ばれたことで見えてきたD&D5版の改善点や、後発の製品で発表された追加ルールを基本ルールに迎え入れること、これまでのD&DのことやTRPGを知らない人でも、戸惑わずD&Dを遊べるようにルールブックの説明や章立てへと再構成することが行なわれています。

そして、この記事ではほとんど触れることができませんでしたが、コロナ以降に急激に需要の増えたオンライン・セッションにも2024年版は完全対応しています。

2024版製品の発売は、物理書籍と並んで公式のオンライン・サービス『D&D Beyond』でも行なわれ、ゆくゆくは仮想テーブル上で3Dの地形やミニチュアを使ったゲームが行えることになっています。

世界最初のRPG、ダンジョンズ&ドラゴンズは常にこのジャンルの最先端を切り拓いてきました。そのたびにユーザーの望みに応えて、想像世界の冒険を色鮮やかに、セッション体験をより快適にと発展してきたのです。

最初の物語体験に立ち返った第5版を世に問うてから10年、新たなユーザーの希望を取り入れてきたD&Dは、2024年版によってますます多様で興奮に満ちた地平を開いてゆくことでしょう。

次の十年はいったいどんな冒険が広がっているのでしょう?

あなたも20面ダイスを握って、仲間と一緒に次の景色を見てみませんか?


※この記事の内容は、著者の個人的な見解であり、当社の意見を代表するものではありません。
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